金本位制推進論者 gold bug 2008 2 23

「金本位制という制度下でなければ、
インフレーションという名の略奪から、我々の資産を守ることはできない。
 我々の財産を守るには金(gold)が欠かせないのである。
このことをしっかり理解していれば、
政治家たちが金本位制に反感を抱いている理由が容易に理解できるだろう」
(1966年 アラン・グリーンスパン)
 グリーンスパン氏は、後に、宗旨変えをしたのかもしれません。
現代においては、「信教の自由」(?)は、憲法によって保障されていますから。
 さて、今日の書評は、以下の本です。
「ドルの崩壊と資産の運用 通貨制度の崩壊がもたらすもの」
ジェームス・ターク著 ジョン・ルビノ著 同友館
 この本には、興味深い視点があります。
たとえば、現代は、原油高の時代というが、
それは、ドル換算では原油高かもしれないが、
金(gold)で原油価格を表示するならば、決して原油高ではないということです。
確かに、金(gold)で原油が買えるならば、原油高ではないと言えます。
 結局、紙幣の価値が落ちただけかもしれません。
たとえば、あなたが、お金を使いすぎてしまったとする。
財布の中には、ほとんど、お金が入っていない。
あなたは、途方に暮れるだろう。
 しかし、あなたが紙幣を印刷できるならば、
そういう悩みは、一瞬にして解決するでしょう。
お金がなくなれば、紙幣を印刷すればよい。
こういう問題は、日米両政府に言えることでしょう。
 政府に、お金がない!
それなら、増税をすればよい。
→いや、納税者(有権者)が激怒するから、それは無理だ。
それでは、政府支出を削減すればよい。
→いや、政府支出で食べている産業(日本では土建産業)が激怒するから、それも無理だ。
 結局、政府が借金をすれば、万事解決。
誰も怒らないし、誰も傷つかない。
ついでに、政治家の支持率もアップ。
しかしながら、これでは、通貨が傷つく(通貨の価値が減少していく)。
「政府が絶えず浪費を続ける中では、
経済は繁栄できないことを証明した古代ローマ人は、
ある意味で、最初のケインジアンであった。
 通貨への信認が失われ、また通貨の質が実際に低下するのに伴って、
商品を生産することよりも、投機の方が魅力的になってしまった。
金(gold)は東方に流失し、ローマ帝国の衰退は決定的なものとなった」
(「いまなぜ金復活なのか」 フェルディナント・リップス著 徳間書店)
はたして、現代のローマ帝国であるアメリカの行く末は、いかに。
 念のため、申し上げておきますが、
私は、金本位制推進論者ではありません。
今さら、金本位制に戻れと言われても、それは無理だと考えています。


















































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